コアな問題

これから、あなたが失う可能性のある数十万〜数百万の浪費をくい止める話をします。起業をめざした多くの先輩たちが踏んだ失敗──大切な創業資金をドブに捨てるあやまち──を未然に防ぐことができるようになります。何かに自己投資する前に、良ければこれを先に読んでおいてください。

欠乏からアバンダンスへ

起業をめざすとき、本気の人は教材やセミナー、合宿などに時間、労力、お金を投資します。1,500円の本を数冊読んで起業に成功できれば、だれも苦労しません。

結果を出している人に「どれぐらい自己投資してきましたか?」とお尋ねする機会がこれまでに多くありました。平均すると、300万円ぐらいの「知恵の仕入れ費」と「手痛い授業料(詐欺商材をつかまされたり)」を支払ってきた人は、「成功する準備が整っている感」のある波動を出してきます。そのレベルのコミットメント(本気の決断)のない人が、人様から直接お金を受けとるには、メンタル面でのブロックが発生するようです。

また、結果が出ていない、およそ8〜9割の人は、まちがったものに投資しています。つまり、起業を成功させるための「知恵の仕入れ」と思いながら投資する案件が、ことごとく「手痛い授業料」に化けているのです。1,000万円を超える人も、ざらにいることがわかりました。それは、お言葉ですが「投資」ではなく「浪費」です。価値を残しません。

このようにお金をドブに捨てる状況には、どうやら3つの典型的なケースがありそうです。

浪費の3大パターン

「投資」と思っているものが「浪費」になってしまっているケースは、次の3つのパターンに分類できます。

お金をドブに捨てる典型的ケース1
どんな状況下でも全力で失敗を引き寄せているステージでの投資

お金をドブに捨てる典型的ケース2
自分のコアテーマ/スキルが特定できていないステージでの投資

お金をドブに捨てる典型的ケース3
深いレベルでの直接関与が受けられないプログラムへの投資

このような状況で、いくら高額のプログラムに参加しても、残念ながら8〜9割の人にとっては「浪費」になってしまっています。1つひとつ具体的に説明します。

お金をドブに捨てる典型的ケース1の原因
(どんな状況下でも全力で失敗を引き寄せているステージでの投資)

私はメンターから「アバンダンスしろ」というメッセージを毎日毎晩、シャワーのように受けとっていました。アバンダンスとは、何を見てもプラスの部分にフォーカスしろという教えでした。起きる現象はコントロールできない。でも解釈には2つの道がある。遭遇する出来事に対して、それを欠乏と捉えるか、血しぶきを上げながらでもプラスの部分を見出していくのかで、引き寄せる運命は180度異なります。

でも、8〜9割の人は、欠乏(被害者意識)を選択します。被害者意識を外に投げかける人が引き寄せるのものは、もれなく「失敗」です。私も自分の問題を放置していろいろ抜け道を探しましたが、この理(ことわり)から逃れることはできないようです。次にいきます。

お金をドブに捨てる典型的ケース2の原因
自分のコアテーマ/スキルが特定できていないステージでの投資

また、自分のコアテーマ/スキルが特定できていないステージの人も、残念なお金の使い方をしてしまいます。流行りのビジネスモデルや投資の教材が出てくるたびに飛びついては、教材を見てすぐに挫折するということを繰り返しています。合い言葉は「今度こそ絶対」です(笑)。

笑えません。。私たちは良くても、周りの家族が影で泣いています。

世の中にうまい話などありません。年収がマイナスであろうと、数百万、数千万、数億円であろうと変わらないことを私は確認しました。どんな収入レベルの人であろうとも、うまい話など転がり込んでくる理由が見つかりません。うまい話なら、それを持ちかけている人が必ずやっているはずです。私たちに持ちかける理由がありません。次に進みます。

いや、待ってください。じゃあ、1〜2割の人が結果を出しているのは、どう説明するんですか?

とあなたは思われているかもしれません。そこも説明しておきます。

血しぶきを上げながら
嬉々として取り組む人びと

彼ら、1〜2割の結果を出す人たちは、そのテーマやビジネスモデルが彼らにとっての “コア” だから成功しているのです。どんなビジネスでも結果を出すには、懸垂100回分ぐらいをこなす体力、気力、胆力が求められます(あくまでも例えですが)。

そのためには、そのテーマが「ある種、大嫌いになる」レベルまで突き詰めていく覚悟がいります。たった1つのテーマに絞り込んで、命がけで取り組む必要があります。

「自分のやりたいこと」じゃないものを対象に、そこまでやり遂げられるわけがないのです。感情がOKを出してくれないのです。つまり、自分のこと(コア)を理解しない段階で適切なビジネスモデル、適切な業種・業態はつかみ取れないのです。前に進みますね。

お金をドブに捨てる典型的ケース3の原因
深いレベルでの直接関与が受けられないプログラムへの投資

ノウハウを一方的に学んでも、そこには曲解が生じます。それは盲点のようなもので、いくつ教材を見ても「同じ部分」を見逃してしまいます。教材の開発者からの直接の補正指導なきところでいくら学んでも、その盲点に「一生気づけないまま」残念な道を歩みつづける恐れがあります。直接関与のないままで、教えをマスターすることは、ほぼ不可能と理解していただいていいと思います。

最近では、30万〜120万ぐらいの高額プログラムが流行っています。こういったプログラムの受講者たちにも私はよく尋ねます。「期間中、直接関与の指導は何回ぐらい受けましたか?」と。なぜなら、これが高額のお金を投資する最大の価値であり、起業する人にとって不可欠な最重要なポイントだからです。

でも、大抵は数回。それも簡単な受け答え、もしくはダメ出しをもらうだけ。そうこうしているうちにプログラム期間が終了し、その後はもう、なしのつぶて。で、またその人のメルマガから、新しいコンセプトの高額プログラムがセールスされてくるというパターンが多いようです。

*   *   *

教材を買っても絶対に結果が出ない層は、ここまで見てきた、お金をドブに捨てる典型的ケース、

・失敗を引き寄せている欠乏マインドの人
・コアテーマ/スキルが特定できていない人
・直接の指導に絶対的な必要性を感じとれていない人

のどれかに該当する人の可能性が高いです。もしくは複合技の人です。いえ、実際は、三つどもえの人が圧倒的多数だと日々感じています。

つまり、これらの人がビジネスの構築のためのゼロ→イチ教材を求めるのは、根本的にステージがズレているのです。

テーマなき“起業志願者”

昔、起業する人は、猛烈に起業したいテーマやスキルがあったから決断、行動してきました。テーマやスキルありきの起業です。

でも今は「起業したい」ということが目的となっている人が多いです。つまり「やりたいことがあって起業したい」のではなく、サラリーマン生活など「目の前のことがつまらないから起業したい」という人が大半を占めるのです。

これを私は、起業における「マイナス→ゼロ領域」と位置づけています。起業ゼロの前に、マイナスの領域があるんですね。この人たちがまず取り組むべきステージは、「ステージ1:欠乏からアバンダンスへ(マイナス→ゼロ)」です。

・すべてのことにプラスの面を見出す感度の欠乏
・自分のコアテーマ/コアスキルなど自己把握の欠乏
・自分一人で何とかなるという現実把握力の欠乏

これらを放置しながら、いくら「ステージ2:ビジネスの構築(ゼロ→イチ)」に関する教材やプログラムに投資しても、私には浪費にしか映りません。つまりほとんどの人が、自分とは関係のないステージの商品(教材やプログラム)を買ってしまっているのです。

結果が出ないわけですね。まるでマニュアルギアの車を走らせるのに、3速にギアを入れて発進させようとしているようなものです。

逆に、この真実に気づいたら、負のスパイラルから抜け出すことが可能になります。

パターンを知ることでパターンから抜け出せるのです。

ステージ1:欠乏からアバンダンスへ(マイナス→ゼロ)
ステージ2:コアビジネスの構築(ゼロ→イチ)
ステージ3:コアビジネスの仕組み化(イチ→満足)

この3つのステージを着実にステップアップしていく道が開けてきます。

このコアな問題──起業のスタート地点には、ゼロではなくマイナス領域があることへの理解──さえクリアすれば、あとはスムーズになっていくと思います。己(現在地)を知ることで、正確な航海を始めることができるのです。

コアな第一歩へ

 

ページの先頭へ